モンテッソーリ教育とは?
What is Montessori education?

"The first duty of an education is to not stir up life, but leave it free to develop."
— Dr. Maria Montessori
マリア・モンテッソーリは、1870年イタリアの労働者階級の街キアラヴァッレに生まれ、1896年イタリア初の女性医学博士となりました。その後、研究領域を教育学、精神医学、哲学、人類学、心理学と広げると同時に、発達障がい児の治療教育に携わり、独自の学際的な教育方法を確立しました。1907年に「カーサ・デイ・バンビーニ」(子どもの家)を開設し、現在のモンテッソーリ教育の礎をつくりました。
子どもの自主性、自由を尊重する新しいモンテッソーリの教育法は、国籍や宗教、文化、性別に関係なく、質の高い教育メソッドとして認められ、世界各地におよそ6万5000校に広がっています。
モンテッソーリ教育では、子どもを生まれながらに一人の人格を持った有能な人間として尊重することを前提とします。すべての子どもは、自ら発達を遂げる力「自己教育力」が内在しています。
大人がすべきことは、子どもの発達の最適な時期「敏感期」に見合った環境の構成と、子どもが「自らやってみたい」と思うような、やり方・使い方を示す「提示」を丁寧に行うことです。
子どもが、自分でやりたいお仕事を選択し、自分で必要なだけ繰り返し、他者に干渉されずに集中し、自分で完結することで、自分の力で豊かな資質・能力を育むことが可能となります。
“The child’s development follows a path of successive stages of independence, and our knowledge of this must guide us in our behavior towards him.We have to help the child to act, will and think for himself.”
Dr. Maria Montessori, The Absorbent Mind, p. 257
「子どもの成長は自立の程度を徐々に高める道のりをたどるという事実の認識が、私たちの子どもに対する振る舞いの指標にならなければなりません。私たちは、子どもが自分で活動し、自分で欲し、自分で考えるのを援助しなければなりません。」
『子どもの精神−吸収する精神−』日本モンテッソーリ教育綜合研究所
モンテッソーリ教育の5分野
Montessori Curriculum – The Five Areas of Learning
モンテッソーリ教育では、「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「算数教育」「文化教育」の5分野の活動を、独自のモンテッソーリ教具を用いて取り組みます。
すべての子どもは生まれながらに、自ら学び成長させる力「自己教育力」がそなわっています。教師は子どものその時々の状態を丁寧に観察し、適切な環境を構成するサポート役に徹します。
子どもが自ら学び、自ら成長しいく姿勢を育むのがモンテッソーリ教育です。
日常生活の練習
子どもは手指をつかった細やかな活動が大好きです。この「運動の敏感期」に、「切る」「貼る」「縫う」 「折る」など日常生活に必要な動きを身につけます。自分の思い通りに動く身体をつくり、自分の行動の主人公になっていきます。

算数教育
日常生活のなかで数に親しんでいる子どもが、棒やビーズなどの具体物を使って、身体で量感を確かめながら、数量の概念をしっかりと習得していきます。就学以降に活きる、ゼロの概念や十進法、四則演算の確固たる基盤をつくります。

感覚教育
「感覚の敏感期」に五感を精緻に刺激する感覚教具と出会うことで、感覚が洗練されていき、感性豊かな子どもへと育ちます。豊かな感性は、考えるちから・判断するちからの基盤となり、知性がキラリと磨かれます。

文化教育
身の回りの動植物の不思議、世界の国や、広大な宇宙の謎など、自分で調べ学ぶことで、様々なものやことに支えられて自分が「ある」ことに気づきを得る活動です。グローバル化時代に生きる子どもたちにとって体得して欲しい内容です。

言語教育
日常会話や言葉あそびなど、話すことを通じ、豊かなボキャブラリーと正しい使い方を学びます。さらに話し言葉から書き言葉へ、言語教具を用いて表現する基礎能力を養います。
